Super Crazy Zooについて語る
0.あいさつ
こんにちは。未熟者です。初めましての方は初めまして。関東近郊でマジックをしているカジュアルおじさんです。最近は仕事が忙しいのでMTG Onlineでマジックをしてることも多いです。
今回は個人的に調整していたSuper Crazy ZooでPPTQ突破できましたので記事を書いています(勝ち語りおじさん)
皆さんにこの素晴らしいデッキに興味を持っていただいて使って頂きたいという情熱を持って調整録と簡易サイドボーディングガイドを残したいと思います。
1.そもそもSuper Crazy Zooって？
Super Crazy Zooは日本人発のモダンデッキであり、語り出すと長いのですが概要をMTG Wikiから引用すると“Super Crazy Zooは、モダンに存在する高速ビートダウンデッキ・コンボデッキ。略称はSCZ。死の影アグロ(Death's Shadow Aggro)、スーサイドZoo(Suicide Zoo)、Zoocideなどと呼ばれることも多い。公式カバレージでは死の影Zooと表記されていた。
伊藤敦が冗談で作ったデッキが元になったという数奇な誕生過程と、それ以上に奇妙なデッキ構造によって話題を呼ぶこととなった。Zooの名を冠しており、実際それらに採用されるクリーチャーも多いが、その実態はティムールの激闘/Temur Battle Rageと強大化/Become Immenseを組み合わせたゼロックス系のコンボデッキである。”(http://mtgwiki.com/wiki/Super_Crazy_Zoo)とのこと。つまり、①クリーチャーを使った②コンバットを介在するコンボデッキであると理解できます。モダンの類似デッキとしては青緑感染 (http://www.hareruyamtg.com/article/sp/category/detail/4771?ismodesmartphone=on)やSuicide Bloo (https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0017903/)などが挙げられます。
Super Crazy Zooについてもっと知りたい方は伊藤敦さんの晴れる屋の記事をご参照ください→ (http://www.hareruyamtg.com/article/sp/category/detail/200?ismodesmartphone=on)
2.なんでSuper Crazy Zoo？
それに答えるは少し私のマジック人生を語る必要があります。そもそも私は友人と集まってモダンをやる、いわゆるモダンプレイヤーであり、モダンに対するアンテナはそれなりに敏感でした (そしてかなりミーハーなオタクです)。2017年の某日、GPバンクーバーにて鮮烈なデビューを果たしたデッキがあります。それは優勝者のJosh Utter-Leytonやトップ8のGerry Thompson、Sam Blackらアメリカのトッププロが使用していたジャンド死の影 (https://mtg-jp.com/reading/iwashowdeck/0018442/)です。このデッキに青天の霹靂のような衝撃を受けた私は以降死の影にのめり込んで行くようになります。この1年で色々メタゲームが変遷していき、ぼくの死の影デッキもグリクシス死の影(http://www.hareruyamtg.com/article/sp/category/detail/4745)になっていました。しかし、モダンが超高速アグロ環境になっている事情 (参考文献:http://www.hareruyamtg.com/article/sp/category/detail/5107)もあり、青いミッドレンジデッキは勝たないこと勝たないこと！！心が折れかけていましたが、2ターン目死の影着地から3,4ターン目にティムールの激闘が決まるときだけ勝てていたので何とか正気を保てていました。
そんなある日、MOでシコシコとグリクシスシャドウを回していて気付きます。これ、グリクシスシャドウじゃなくてよくないか？と・・・。そしてMOモダン競技リーグ5-0リストにあったMO界の強豪、kanisterのリスト(http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD50855S/)にどこか懐かしさを覚えますが、何となくリストが汚い・・・。そのままダラダラとリストを流していると好みのリスト(http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD9332K/)を発見！！とても気に入り、そのまま競技リーグに参加したところ何と1発で5-0しました笑(http://www.hareruyamtg.com/jp/k/kD51962S/) これは非常にメタゲームに合ってるぞと思い、使い込むことを決意しました。
3.Super Crazy Zoo調整期
モダンをやり込む以上、明確な目標が欲しいと思い、エターナルウィークエンドモダン入賞とモダンPPTQ突破を目標にMOでシコシコ調整を始めました。競技リーグは14リーグ(計70マッチ)に参加して5-0が1回、4-1が7回、3-2が5回、2-3が1回(Modern Challengeは5-2の22位)と非常にアベレージが高く、回せば回すほど強力なデッキだとわかります。以下に何故このデッキが強力なのかを列挙していきます。
①干渉がなければ2,3キルが存在するデッキである
通りの悪霊や変異原性の成長を複数枚引いていれば1ターン目に死の影を出して2ターン目にティムールの激闘という勝ちもありますし、基本的には1,2ターン目にクリーチャー展開、3ターン目強大化+ティムールの激闘で勝利できます。これはモダンにおいて非常に重要で、干渉の少ないコンボデッキ(青赤ストーム、KCIなど)、3ターン目までに準備が必要であるデッキ(ウルザトロン、ドレッジなど)が多く、スピード勝ちすることができるということを意味します。
②死の影、ティムールの激闘がアグロデッキに強い
モダンには①に挙げた以外にも親和や人間、ホロウワン、ブリッジヴァインなどの高速アグロデッキが存在しますがそれらのデッキはこちらのライフを減らすことが戦略であるため、こちらの死の影と噛み合います。つまり死の影さえ引ければアグロデッキ相手にもダメージレースの点で有利に立ち回れるのです。また、ティムールの激闘もトランプルがつく都合上、相手側もアグロであるに関わらずブロックなどに気を使う必要があり、インスタント呪文のため後出しじゃんけんのように有利にコンバットを進めることもできます。またミスも生じ易くなります。
③コンボデッキなのに干渉が多い
Super Crazy Zooのメインボードには思考囲いが4枚、除去が4枚(稲妻3枚、四肢切断1枚)入っています。これもモダンにおいて重要で、相手の理想の回りを妨害することでこちらのキルターンを確保することができます。そこをコンボパーツとか探すカードにした方が安定するんじゃないの？という意見もありますが、これらには自分のライフを減らす役割もあるのでいいのかなと思います。
一方で回していくうちに不利なデッキもわかります。それは非常に明確で流刑への道や致命的な一押しなどの死の影を処理できる単体除去が入っているミッドレンジ～コントロールデッキ(青白コントロール、BGミッドレンジなど)や軽い全体除去が入ってるデッキ(青白コントロール、リビングエンドなど)です。これらのデッキに本当に勝たない勝たない！！(注:ジャンドは血編み髪のエルフの都合上、単体除去が致命的な一押しから稲妻に寄っているためBGよりもやり易い)リビングエンドはわざわざ専用サイドを用意するほどのシェア率ではないと判断し、ハンデス3キルで何とか勝つことを目標としてサイドボードは最低限にするとして、問題は青白コントロール。トップメタの一角です。過去の色々な文献を漁った結果、BIGs人見さんのみっくすはかく語りきの死の影ジャンド回(http://mtg.bigmagic.net/article/2017/02/article/%E8%A8%98%E4%BA%8B/%E4%BA%BA%E8%A6%8B%E5%B0%86%E4%BA%AE/006.html) が目に止まります。曰く、除去コントロールには未練ある魂が最終兵器だと。少し昔の記事ですが古えからの真理は不変だろうとサイドに4枚入れて試したところ、これが非常に好感触。除去コントロール以外にも入れられる相手はあり、サイドに4枚固定としました。また、信仰の盾も除去コンにあまり強くなく、バーン対策としてもそこまで強くないと感じて、未練ある魂を増やした都合もあり、バーン対策として集団的蛮行を3枚しっかり採用。ついでにメインのステップのオオヤマネコ(カードパワーが低いため)を不採用としてその枠に対バーン最強のタルモゴイフを採用、バーン相手に2ターン目フェッチから森タルモと動けるように森もメインに昇格しました。
ライフを減らせる強みがあり、基本的に3,4ターンしかゲームをやらないため、ファイレクシアマナによるテンポも重視したいと思い、サイドボードにはファイレクシアマナ1マナのカードを出来るだけ取ろうとはらわた撃ち2枚、外科的摘出3枚採用。特に外科的摘出は瞬唱の魔導士デッキに対してもサイドインできるため、個人的には大好きなカードです。
崇拝も増えているため、汎用性の高いエンチャント破壊であるゴルガリの魔除けもお守りに1枚採用。あとは親和、KCIなどのアーティファクトデッキはオパールのモックスによりこちらより速度が出る可能性があるので古えの遺恨を2枚採用。
このようにしてエターナルウィークエンドまでに満足のゆく75枚のリストが完成しました。
Mainboard 60
4 Death's Shadow
4 Monastery Swiftspear
4 Wild Nacatl
3 Tarmogoyf
4 Street Wraith
4 Mutagenic Growth
4 Temur Battle Rage
1 Dismember
3 Become Immense
4 Thoughtseize
4 Mishra's Bauble
4 Bloodstained Mire
4 Verdant Catacombs
4 Wooded Foothills
1 Blood Crypt
1 Forest
1 Godless Shrine
1 Overgrown Tomb
1 Sacred Foundry
1 Stomping Ground
Sideboard 15
3 Surgical Extraction
2 Gut Shot
2 Ancient Grudge
1 Golgari Charm
3 Collective Brutality
4 Lingering Souls
(https://dig.cards/decks/magicthegathering/153404)
4.大会結果
さて、大本命のエターナルウィークエンドモダンは・・・？
白黒エルドラージ 後手○○
青赤ストーム 先手×○○
青単トロン 先手××
バーン 後手 ○×○
赤緑ポンザ 先手○××
まさかの3-2ポン泣 相手のドローやこちらのドローなどの不運もありましたが、これもモダンということで泣く泣く中華街に笑(小籠包美味しかったです)
その後、全く同じリストでふんわり参加した秋葉原トレカの洞窟PPTQでは・・・？
緑トロン 後○○
親和 後○○
URデルバー 先○○
ジェスカイコントロール 先×○○
ID
ID
1位で予選通過
SE1 親和 先○○
SE2 緑トロン 先○×○
SE3 ジェスカイの隆盛コンボ 先○○
で優勝🏆
親和やトロンといった有利なマッチアップを踏んだ幸運もあり、完全に実力とも言い切れないのはあれですが勝ちは勝ちということでここは一つ(適当)
5.簡易サイドボーディングガイド
原則としてライフを狙うデッキには通りの悪霊を抜き、コントロールデッキ、墓地利用には除去を抜きます。
・青白コントロール
in +4未練ある魂、+3外科的摘出、+3集団的蛮行
out -4野生のナカティル、-3稲妻、-2変異原性の成長、-1ティムールの激闘
(ジェスカイの場合は-4野生のナカティル-4通りの悪霊-1ティムールの激闘)
基本的にハンデスリンリンというコントロールがキツい動きにシフトして動く。四肢切断は悪斬や列柱のために残す。ジェスカイ相手はリンリンで勝つ都合上、イゼットの静電術士対策に稲妻を残す。メイン基本負けるので不利なマッチアップ。拘留の宝球がみえた場合、ゴルガリの魔除けを入れる。
・人間
in +2はらわた撃ち、+3集団的蛮行
out -4通りの悪霊、-1思考囲い
メインから一貫して3キルを意識。無理なら死の影でコンバットのマウントを取ること。コンボに邪魔なサリアは最優先で除去する。コンボ時は3のバイアルに注意。お互いの噛み合いのため5分5分。
・ホロウワン
in +4未練ある魂+2古えの遺恨+3外科的摘出+3集団的蛮行
out -4野生のナカティル-4通りの悪霊-4思考囲い
死の影が非常に大事。干渉が少なく、3キルコンボは決まりやすい。5分5分。
・白緑ドルイドコンボ
in +2はらわた撃ち+3集団的蛮行+1ゴルガリの魔除け
out -2僧院の速槍-4変異原性の成長
干渉がパスしかないため基本的にはコンボは決まりやすい。一方で相手はハンデスも除去も刺さるので有利。サイド後も集団的蛮行がガン刺さりする。レリカリービートと崇拝にだけ注意。
・ブリッジヴァイン
in +3外科的摘出、+2はらわた撃ち
out -3稲妻、-2通りの悪霊
相手がヴァインを走らせてくる展開だと非常に死の影が生きる。コンボは決まりやすいがゾンビが並ぶ展開だとバトルレイジがないと負ける。基本的にはかなり有利。
・KCI
in +3外科的摘出+2古えの遺恨
out -3稲妻-2野生のナカティル
全力でコンボを狙う。四肢切断はサイ用に保険で入れておく。干渉がなく、除去も完全には腐らず一方的にハンデスがあるため基本は有利。爆薬がキツいため、展開のし過ぎにも注意する。
(対トロンも大体同じ、四肢切断は抜く。メインサイドともに3キル意識。)
・親和
in +4未練ある魂+3集団的蛮行+2古えの遺恨+2はらわた撃ち+1ゴルガリの魔除け
out -4野生のナカティル-4通りの悪霊-4思考囲い
メインは大体先手が勝つ。サイド後は除去リンリンで勝つプランと死の影コンバットレース、強大化バトルレイジとどのプランも刺さるのでやや有利。感電破があるので赤マナあるときはライフ4以下にしないように注意。
・マルドゥパイロマンサー
in +4未練ある魂+1ゴルガリの魔除け+3集団的蛮行+1外科的摘出
out -4野生のナカティル-3稲妻-2変異原性の成長
除去しか入っておらず月が刺さるため厳しいマッチアップ。プッシュが減っているのだけは救い。ハンデスタルモで勝つかリンリンフルタップの返しに強大化バトルレイジで決めるのが勝ち筋。不利。
・ジャンド
in +4未練ある魂+3集団的蛮行
out -4野生のナカティル-1変異原性の成長-2通りの悪霊
ヴェールのリリアナと漁る軟泥が強く、除去しか入ってないため厳しいマッチアップ。除去が稲妻に寄ってるのだけが救い。リンリンで勝つしかない。通りの悪霊を普通にキャストすることもある。
6.最後に
今回はモダンのSuper Crazy Zooの現在について自分なりにまとめさせていただきました。プレイ上のtipsなどは先人の伊藤敦さんことまつがんさんの記事が非常に参考になるので是非読んでみてください。
この記事で1人でも多くの方にSuper Crazy Zooの魅力を伝えられたら本望です。私、未熟者はツイッターをやっておりますので(@med_witch1105)疑問や訂正などありましたら是非是非ご気軽にご連絡ください。
ここまで読んでくれてありがとうございました！
